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退職時の嫌がらせ(退職ハラスメント・ヤメハラ)体験談

2020年6月24日

退職が決まった人に嫌がらせをしたり、また必要以上に引き止めて退職させないようにする「退職ハラスメント(ヤメハラ)」。

実際にひどい仕打ちを受けたという38歳(当時)の体験談を伺いました。

出来るだけ忠実にご本人の話を再現しています。

 

退職を上司に告げた日から地獄の日々がやってきた

当時、私は美容系の会社に勤務していました。

お給料もあまり高くなく、仕事にもやりがいをそこまで感じていなかった私は、会社を辞めて、40歳までには何とか新しい人生の一歩を踏み出したいと考えていました。

私はマネージャー職という中間管理職。

私にはたくさんの部下もいました。

退職したいと言えば絶対に引き止められ、会社のトップに話が伝わるまでには時間がかかると思ったので、いきなり会社のトップである社長に直接退職を伝えました。

マンションの更新、引継ぎなど考えて、3ヶ月後に退職したいと希望しました。

そこで社長は一通り、私の話を聞いた後…

一言、こう言いました。

今は(退職は)無理。

またゆっくり話聞くよ。

更に続けて

言っとくけどね、簡単に新しい人生っていうけど、そんなに甘くないよ。

と。

ある程度は予想してたのですが、こんな簡単に答えられるとは思わず。

少なくとも話は聞いてくれるだろうと思ったのが間違いでした。

そして、ここから社長とは1ヶ月、全然連絡が取れなくなりました。

電話も出ない、メールしても返信なし。

会社で顔を合わせて挨拶しても、足早に去っていくだけ。

これが地獄の始まりでした。

いろんな人から退職を引き止められる

社長と連絡とれなくなり、無視が続いてから1ヶ月が経ったころからです。

私は、毎日のようにいろんな管理職から呼び出されるようになりました。

最初に部長が「退職を思いとどまれ」と説得に来て、それでも私が拒否したら、次は本部長がきて説得。

説得の仕方もいろいろでした。

すごい情熱的に

自信がないだけで「辞める」って言うなよ。

もう1回一緒にがんばろうぜ!

と言ってきたのは部長。

どうやら本気で、「かまってちゃんが会社の気を引くために辞めるといってるだけ」と思ってたらしくて…。

でも、私は本気で「1日も早く辞めたい」と思っていたので、自信をつけられようと、夢を語られようと、鬱陶しいだけだったんです。

そして、さらに1ヶ月後、社長に退職を伝えてから2か月後、常務と話した時のことです。

わかった、退職希望を受理します

という返事をもらいました。

でも、驚いたのが退職の時期です。

引継ぎがあるので、1年後でいい?

い…いっ、、、一年~~~~!!!!!??????

耳を疑うを通り越して、耳が聞こえなくなりそうでした。

ほんとにビックリです!

もちろん、きっぱりとお断りしました。すると

この無責任野郎!

来月末で退職なんて、急すぎるに決まってるだろ?

と常務の態度も急変。

ただ、私の言い分は

だから早めに言わないと、と思って、社長には2か月前に退職の移行を伝えています。

でもほぼ1ヶ月電話もメールもすべて無視で、それから2ヶ月が過ぎています。

急すぎると言うなら、1ヶ月以上無視した社長におっしゃってください。

です。

そこで交渉は決裂しましたが、最後には捨て台詞のように

君はまるでメンヘラだね。

バーチャルの世界、空想ばかりで被害妄想が強すぎる!!!

とメンヘラ認定をいただきました。

でも、もう仕方がないです。

退職できるなら、それでいいと思いました。

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会社に私の悪い噂が広まり始める

「あと1年は働け!」という上司の言葉を振り切り、ようやく目標だった2ヶ月後の退職を勝ち取ったあと。

今度は社内での噂が私を待っていました。

ある仲の良い同僚から

Sさんが給料交渉に失敗して、会社辞めることになったって噂が広がってる!

と知らされました。

給料交渉・・・?

した覚えもありません。

ただ、社長には

今のお給料では今後が不安なので、辞めます。

とは言った記憶はありましたが、「給料アップしないと辞めてやる!」みたいな交渉が一度もしたことがありません。

ただただ、「退職希望」を告げただけです。

社長に直接した話が、尾ひれがついて会社に広まるなんて、社長も口が軽いのか、周りの幹部が口が軽いのか。

本当に退職を決断して良かったと思いました。

同じころ、仲の良かった同僚ができちゃった婚で結婚することが決まりました。

でも、その同僚は泣いていて、どうした?って聞いたら

会社に「妊娠は嘘でしょ?退職してもいいけど、あと1年は働いてね」って言われたけど、無理。

うわ~、私より酷い。

長い間働いてきた社員に、おめでとうも言えないのでしょうか。

退職を迎えるまで

それから退職までは、私を見ながらコソコソと陰口を言う集団に腹が立ちながらも、仲の良い同僚に助けられて過ごしました。

すごいギクシャクしたなかで、突然部長から「おい、送別会するぞ!」なんて言われましたが、それもお断り。

だって、影では私の悪口言いながら、表では何も知らない顔で送別会って、茶番もいいところでしょ?

参加する方だって、面白くないはず。

1人だけ、気を使ってくれて

2人で会社から離れた場所で、こっそり飲むか!

誰も連れて行かないから大丈夫。

大人数の送別会なんて、やりにくいよなぁ。

と言ってくれた先輩がいて、その人とだけ飲みに行くことにしたんです。

それでも、「給料交渉何回したの?」って聞かれたから、噂を信じてるんだなーと思いました。

退職後に聞かされた恐ろしい本音とは

辞めてからしばらくして、元同僚の男性から急に連絡がきたんです。

で、電話で話したいっていうから、何かと思ったら「俺も会社辞めて、同業他社に転職したんだ」と。

まあ、電話ならいいよって思って話聞いたんですけど、そのなかでビックリすること言ってて…。

それをそのまんま言うとね、こんな感じです。

美容業界って、20代の若い子の方が活躍するんだよね。

30代の(女性)社員は、そろそろベテランの時期に入ってきて、野球でいうと代打レベル。

そのくせ、20代の社員に辛く当たってスグに辞めさせたりする。

給料は若い子より高いのにさ。

しかも30代後半になると、転職したくても出来なくて、不満があっても今の会社で頑張るしかなくなるんだよ。

30代でそこそこの給料欲しがる子なんか、どこも採用しないからね。

だから、30代の残念な社員は残念なりに使ってあげるのが会社の役目だよ。

だから、土日勤務とか、夜遅くまでの勤務とかは、出来るだけ30代後半の社員を使うようにしてたんだよね~。

だって、若い子を厳しい現場に配属すると辞めちゃうでしょ?

厳しい現場で耐えながら、頑張るのが30代の社員の宿命だよ~<

これまた耳を疑うセリフでしたけど、改めて、同僚がそんな恐ろしい考えを持っていたなんてビックリしました。

こんなマネージャーの元で働いていたら、いえ、こんな考えの人をマネージャーにする会社で働いていたら、私の人生どうなっていたのだろう、考えてもゾっとします。

縁切り神社に参拝して、縁が切れるように絵馬まで書いたほどでした。

最後に

Sさんに、「仕事を辞めたいけど辞められないと思っている人に何か一言」と聞いたら、こう言われました。

辞めたいと思ったら、さっさと辞めたらいい。

どんなに義理立てしても、会社はあなたの人生よりも会社の業績を重んじています。

会社だって業績が大事だから、それは仕方ないこと。

だから、「迷惑がかかる」とか思わず、自分の道を歩んでください。

私は40歳までには転機を迎えたいと思い、38歳で当時の会社を退職しました。

一度も後悔したことはありません。

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